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刑事責任能力

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刑事責任能力

刑事責任能力

刑法における責任能力(刑事責任能力)とは、刑法上の責任を負う能力のことをいいます。
事物の是非・善悪を弁別し、かつそれに従って行動する能力のない者に対しては、行為を非難することが出来ず、刑罰を科す意味に欠けるとされています。

責任能力が存在しない状態を責任無能力といい、責任能力が著しく減退している場合を限定責任能力といいます。
責任無能力としては心神喪失と14歳未満の者、限定責任能力としては心神耗弱があります。


刑法第39条
心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

刑法第41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。

心神喪失

心神耗弱とは、精神の障害等の事由により事の是非善悪を弁識する能力(事理弁識能力)又はそれに従って行動する能力(行動制御能力)欠いている状態のことをいいます。
刑事裁判で心神喪失が認定されると無罪の判決が下りますが、心神喪失と認定されるのは極めて稀です。

無罪判決が出た場合は、検察官が地方裁判所に審判の申し立てをし、処遇(入院、通院、治療不要)を決める鑑定が行われるとともに、社会復帰調整官による生活環境の調査が行われる。(医療観察制度のしおりより)
入院決定の場合は6ヶ月ごとに入院継続確認決定が必要とされ、通院決定、あるいは退院許可決定を受けた場合は原則として3年間、指定通院医療機関による治療を受ける。


心神耗弱

心神耗弱とは、精神の障害等の事由により事の是非善悪を弁識する能力(事理弁識能力)又はそれに従って行動する能力(行動制御能力)が著しく減退している状態のことをいいます。
刑事裁判で心神耗弱が認定されると減刑となりますが、心神耗弱と認定されるのは極めて少数です。


心神喪失および心神耗弱の例と問題

心神喪失および心神耗弱の例としては、精神障害や知的障害・発達障害などの病的疾患、覚せい剤の使用によるもの、飲酒による酩酊などが挙げられます。
この心神喪失・心神耗弱というのは医学用語でなく、あくまで法律用語であり、医学上および心理学上の判断を元に、最終的には「そのものを罰するだけの責任を認め得るか」という裁判官による規範的評価によって判断されます。
特に覚せい剤の使用に伴う犯罪などに関してはこの点が問題となることが多いですが、判例では、故意に、アルコールの大量摂取や薬物(麻薬、覚せい剤など)などで心神喪失・心神耗弱に陥った場合、刑法第39条第1項・第2項は適用しないとしています。


心神喪失や心神耗弱の認定

心神喪失や心神耗弱の認定は、専ら裁判所の判断に委ねられますが、専門家たる精神科医の意見が鑑定等、その意見を十分に尊重して認定されることになります。


心神喪失者等医療観察制度

心神喪失や心神耗弱の状態で、重大な他害行為((殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、傷害))を行った者に対しては、心神喪失者等医療観察法(「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」)により、継続的かつ適切な医療及びその確保のために必要な観察・指導を行うことによって、病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的として、心神喪失者等医療観察制度が運用されています。
検察官が医療観察法による医療及び観察を受けさせるべきかどうかを地方裁判所に申立てを行い、鑑定を行う医療機関での入院等が行われるとともに、裁判官と精神保健審判員(必要な学識経験を有する医師)の各1名からなる合議体による審判で、本制度による処遇の要否と内容の決定が行われます。


未成年者

20歳未満の少年犯罪については、必ずしも是非善悪の弁別能力を欠くとはいえませんが、心身ともに未成熟であり、人格の可塑性に富むことから、少年法により、原則として、処罰をせずに家庭裁判所が保護更生のための処置を下し、要保護性に応じて保護処分を受けることと定められています。
10歳までは一切の刑事処分を受けませんが、11歳~13歳の場合は、少年院に送致(逆送)される可能性があります。
加害者が14歳以上の場合、家庭裁判所の決定により検察官に送致(逆送)され、刑罰を受ける可能性があります。

刑事責任と年齢